商いは、人を喜ばせ、自分も喜び、そして地域が潤うと感じられて日々が楽しくて仕方なかった若き日の渋沢栄一に大きな壁が立ちはだかったのです。
それは、商いは楽しいとはいえ僅かな利益をコツコツ積み上げて財は蓄えられているというのにお上である侍は資金が必要になると「出せ!」の一声で集まると思っている。
人の道として筋が通らないじゃないか!
そんなところでした。
この怒り、これからの栄一にどんな未来を用意するのでしょうか。
たぶん、、、彼の未来、荒れるしかないですよね・・・。
第5話「栄一、揺れる」 あらすじ
父になだめられて渋々代官に金を収めに行った栄一は、まだまだ怒りが治りませんでした。
そんな帰路の途中で従兄弟の尾高惇忠に会います。
ことの次第を説明すると惇忠はこう言いました。
お前も「悲憤慷慨(ひふんこうがい)」だな、と。
第5話「栄一、揺れる」 感想
私人と公人。
個と国というこれらの言葉は、一見対象的な存在と見る者もいます。
しかし、渋沢栄一は、どちらかの視点から物を見るのではなく、どちらも同じように大切に考えたのではないでしょうか。
そこに優先順位はありません。
また、迷信を信じる信じないではなく、日頃の渋沢家であり、姉なかを強く信用していたのだろうと察することができます。
ここで信頼と信用どちらの漢字を使うべきか迷いました。「信頼」は、自分が相手をどう思うかの気持ちです。「信用」は、相手がそこに至るまでの過去の行いによるあなたへの実績によるものです。
人は誰しもが自分の経験という「眼鏡(レンズ)」を通して物を見るし、予想するものです。
異国船の突然の多数の来訪によって、日本国民は
- 未来への不安
- 異国人と日本人の容姿の違い
- 異国人の持つ文化や習慣への無知
簡単に数えても3つあります。
日々の日常のように「予想」しようとした民の頭が混乱を期したのです。
人は「恐怖心」が一番強い本能です。
それ故に恐怖からの回避本能が冷静な判断力を奪ってしまったのでしょう。
不確かな情報にも右往左往し、疲弊した精神がますます良からぬ想像を膨らます悪循環へと市民を引き摺り込んだ5話だったと思います。
令和4年の現在は、情報が多くあります。
しかし、その信憑性を裏付けるものや多くの情報の中から信頼できる情報だけを選び出す力を持つ人がどのくらいいるでしょうか?
それは、情報に麻痺したことによる「情報不安」を引き起こす社会とも言えます。
どちらかに偏らず「理想の社会」を見る目を持った「渋沢栄一」という人間はこれからどのような経験から誕生することになるのでしょうか。
今後が楽しみになった一話でした。
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2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
配役 | |
渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
尾高新五郎(幼少期の栄一の先生、従兄弟) | 田辺 誠一 |
阿部 正弘(幕府老中首座) | 大谷 亮平 |
徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
徳川 家康 | 北大路 欣也 |
徳川 斉彬 | 竹中 直人 |
徳川 家慶 | 吉 幾三 |
藤田 東湖 | 渡辺いっけい |
渋沢 宗介 | 平泉 成 |
渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
高島 秋帆 | 玉木 宏 |
平岡 円四郎 | 堤 真一 |
渋沢 市郎右衛門 | 小林 薫 |
渋沢 なか | 村川 絵梨 |
制作キャスト
作 | 大森 美香 |
音楽 | 佐藤 直紀 |
テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
語り | 守本 奈実(アナウンサー) |
演出 | 黒崎 博 |
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