徳川の時代が終わって20数年が経過しました。
明治22年夏、徳川家康が江戸城に入ったことを祝うイベントが旧幕臣たちの活躍により開催されました。
渋沢栄一も仲間達と共に徳川幕府の外交力や勘定奉行の小栗の思い出話に大いに盛り上がりました。
そこで一人の紳士に声をかけられました。
振り向いた栄一の前に民部公使だった徳川昭武が微笑んで立っていました。
誰ともなしに声が上がりました。
「徳川バンサイ! 徳川バンザイ!」
慶喜公の邸宅では、体調を崩している美賀子を囲むようにして「市民も徳川万歳!」と声をあげていましたねと会話に花が咲いていました。
美賀子は「商いで忙しいのに渋沢はこの家のやりくりまで何かと助言してくれる。慶喜公も最近では渋沢を見出したのは平岡の慧眼だったと褒めています。」と話されました。
20年という歳月は、渋沢栄一を大きく羽ばたかせました。
銀行業をはじめ、製糸、紡績、鉄鋼、建築、食品、鉄道、鉱山、電力、造船など多くの産業に関わり、国際化に対応できる女性の育成や病院、養育院など教育施設や福祉施設の充実にも力を注いでいました。
養育院の運営のための慈善会のバザーは、栄一の妻兼子が勤めていました。
渋沢家では、次女琴子が大蔵省に勤める阪谷芳郎と結婚。
くにの子である文子も、尾高惇忠の次男である尾高次郎との結婚が決まり、くには新たな人生を目指して渋沢家を出ていくことになりました。
みんなが明るい未来を描く中、ソワソワと落ち着かない者がおりました。
栄一の嫡男である篤二でした。
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青天を衝け 第38話「栄一の嫡男」 あらすじ
東京養育院主催 慈善市(バザー) 開催
栄一は、友人の井上馨と会場を訪れると、景気付けして縫製された商品を購入し、井上を煽るようにわざと高額の支払いをしました。
栄一の娘たちも父栄一の采配に乗り、法外とも言える値をつけて井上に見事に食器類を売りつけることに成功しました。
ただ、浮かない男はどこまでも曇った顔色でした。
「あの渋沢栄一の後継者」という周囲からの言葉の重圧に、栄一の嫡男である篤二は押し潰されていたのでした。
夜な夜な酒と歌に溺れていました。
篤二を心配した姉歌子は、徹底的に篤二を叱りました。
明治23年、国会の開設と共に衆議院議員なども決まりました。
栄一は、断ったにもかかわらず議員の一人として名前を載せられてしまいました。
そんな人気と忙しさの中、いよいよ周りが隠しきれないことが起きました。
歌子の亭主である穂積が栄一に言いました。
自分たちの不徳の致すことなれど、義弟篤二の遊び癖が直せないので九州の学校へ行かせたいと願い出たのでした。
篤二は、熊本で寮生活を送ることになりました。
慶喜公の妻美賀子に危険な病が発見されました。
静岡から東京の病院へ転院することが決まりました。
市民の生活インフラである「水道管」をどこの製品にするのかということから大問題が起きました。
栄一は、日本の産業を育てたいが、民に危険があってはならない。第一は民の安全である以上、こだわるのはどの国の製品なのかではなく、どの国の製品ならば安全なのかであると考えていました。
しかし、国産品で儲けたい経営者は納得しませんでした。
緊迫した会議の最中、栄一に急報が届きました。
嫡男篤二、失踪。
二人の立派な義息子たちも必死で篤二を支えようとしたのですが、その気持ちは篤二には届きませんでした。
姉歌子も大変なショックを受けました。
栄一の妹ていが飛鳥山に遊びにやってきました。
おおらかなていのおかげで沈んだ空気が少し穏やかになったんでした。
そして、ていは篤二を血洗島へ連れていきました。
藍葉の刈り入れなどを篤二に手伝いさせました。
篤二はやっと心を開きました。
「父親と初めて一緒に草刈りをしたこと。母を助けたい一心からだったが、助からなかった。けれど父と一緒に作業できたことの喜び。母の病がすごく悲しかったはずなのに、家に居なかった父が頻繁に家に一緒にいてくれることをどこか喜んでいた自分がいました。まぁ、今でも母が亡くなった夏は苦手ですけど。」
栄一が、賊に襲われる事件が起きました。
水道管の決定を粗悪な国産品で儲けたかった輩が嫌がらせをしたのでした。
慶喜公にも悲しい時が訪れました。
妻美賀子が帰らぬ人となったのでした。
慶喜公を按じる栄一や喜作たちでした。
慶喜は、薩長の企みだったとはいえ「朝敵」になった過去を重く受け止め、天子様がおられる東京に移ることを拒んでいました。
そんな慶喜公の苦しみを思う栄一たちは、慶喜公の幕末に下した「大政奉還」など多くの偉業までが評価されないことに怒りを感じました。
そこで、慶喜公の功績を忘れさせないためにもと記録として編纂することを決めました。
日本国は、清国との戦争に突入しました。
天皇陛下が陣を張る広島を訪れた帰りに、栄一は静岡に慶喜公と面会するために立ち寄りました。
そして、栄一の心に決めていた「慶喜公の伝記」の制作を許して欲しいと懇願するのでした。
慶喜公は、、、固辞しました。
明治28年(1895年)
日清戦争 日本勝利にて終戦
栄一は、勝利に沸き立つ政府の盛り上がりに便乗し、慶喜公の東京への帰還を認めさせました。
2年後
慶喜公、30年ぶりの東京でした。
青天を衝け 第38話「栄一の嫡男」 感想
明治になり、20年以上が経過したことで国民、事業者に奢りが現れてきたのでしょう。
自分が儲かれば良い、そんな考えが水道管の件でも栄一の判断を受け入れられなかった、そう感じます。
利己的な人間が増えたときに、相手への思いやりが欠如するでしょう。
清国への戦争は、そう言った側面もあったのかもしれません。
慶喜公の伝記については、以前から旧幕臣の人たちが多くの時間を待ち、そしてかけて記録として残したことは知っていました。
しかし、今回ドラマで見たような熱い思いまでは資料では読み取れずにいました。
とても意義ある事を知ることができ、感謝の気持ちを持っています。
温故知識
明治維新のキーワードというのか、とてもぴったりな言葉があると思います。
それが
「温故知新(おんこちしん)」
です。
古きを尋ねて、新しきを知る
温がなぜ「尋ねる」になるかというと、旧漢字では皿の上は「囚」でした。つまり「囚人」です。「氵」が「汁」。
捕まっている囚人に「まぁ汁でも飲んで落ち着きなさい。」と皿によそって与え、その後「一体どうしたんだよ・・・」と身を案じて尋ねるというストーリーが語源です。
すごく素敵な言葉だと最近再認識しています。
インターネットにより溢れる情報。
コンピューターによる新しい発見の連続。
しかし、だからこそ見落とした古き中に「大切な事」があることも十分に考えられるのです。
業種に関係なく、教育システムが完備されています。
若い世代の人は、知識では中高年者よりも優れているでしょう。
しかし、知識を「知恵」に替えるには「経験」も必要なことは多いものです。
そこでもう一つの大切なことが失われていることに気付かされます。
それは
「謙虚さ」
です。
これ以上は説教臭くなるのでやめます。。。
嫡男 篤二の問題について
んんん、心当たりがあり過ぎて、心が痛いです。
この明治期、優秀な人物は、新しい社会となり身分も作り直されたことでとっても偉くなっていました。
その上、業務が多く、とんでもなく忙しいものでした。
そして、、、コロナやナポレオンがロシアで大敗したように異常な寒波がある(日本では荒川が凍った記録があるとか)世界的な異常気象により死ぬ人が多くなっていました。
栄一の妻お千代が亡くなったように、多くの実力者の家でも妻や子が多数亡くなっていました。
そして、江戸時代からの習慣と異国に並ぶためにも社交は夫婦一緒にということから再婚につぐ再婚が当たり前でした。
- 父は、家に居ない。
- 嫡男として期待され、重圧ばかりが日々大きくなる。
- 愛情をくれるはずの母親は居ない。
- 実母からの愛情を受けて暮らす弟や妹たちを見る
時間と共に心が疲弊して、寂しさから道を外してしまうんです。
自分ごとの様に切なくなったのは、私の祖先もグレて熊本ではなく、アメリカまで飛ばされたようです。
帰国すると父親のとてつもない財産を、彼の子供がその生涯を通じて返済しなければならないほどの借金に替えました。
それはそれは見事に使い切ったようです。
名士の嫡男ということで多くの良からぬ輩が寄ってきたのでしょう。
まだまだ、自分は自分とは生きられない時代でした。
篤二もさぞや辛かったことでしょう。
とてもしっかりとドラマが作り込まれているからこそ、視聴者は自分の人生に照て考えてしまうのでしょう。
あなたにもきっと感じるところがあるはずです。
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私の拙いあらすじまとめでは、多くの心配りあふれた役者さんの演技は到底想像できません。
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2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
配役 | |
渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
尾高 惇忠 | 田辺 誠一 |
徳川 美賀子 | 川栄 李奈 |
徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
徳川 家康 | 北大路 欣也 |
小栗 忠順 | 武田 真治 |
尾高 平九郎 | 岡田 健史 |
天璋院 | 上白石 萌音 |
井上 馨 | 福士 誠治 |
渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
伊藤 俊輔 | 山崎 育三郎 |
大久保 利通 | 石丸 幹二 |
渋沢市郎右衛門 | 小林 薫 |
尾高 千代 | 橋本 愛 |
佐々木勇之助 | 長村 航希 |
(平岡円四郎の妻)やす | 木村 佳乃 |
明治天皇 | 犬飼 直紀 |
板倉 勝静 | 永井 秀樹 |
岩倉 具視 | 山内 圭哉 |
杉浦 愛蔵 | 志尊 淳 |
徳川 昭武 | 板垣 李光人 |
五代 友厚 | ディーン・フジオカ |
大久保 一翁 | 木場 勝己 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
三野村利左衛門 | イッセー尾形 |
徳信院 | 三村 里江 |
三条 実美 | 金井 勇太 |
大隈 綾子 | 朝倉 あき |
萩原四郎兵衛 | 田中 要次 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
渋沢 よし | 成海 璃子 |
渋沢 てい | 藤野 涼子 |
大内 くに | 仁村 紗和 |
江藤 新平 | 増田 修一郎 |
小野善右衛門 | 小倉 久寛 |
岩崎 弥太郎 | 中村 芝翫 |
井上 武子 | 愛希 れいか |
益田 栄子 | 呉城 久美 |
大倉 徳子 | 菅野 莉央 |
井上 未子 | 駒井 蓮 |
大倉喜八郎 | 岡部 たかし |
益田 孝 | 安井 順平 |
岩崎 弥之助 | 忍成 修吾 |
伊藤 兼子 | 大島 優子 |
穂積(渋沢) 歌子 | 小野 莉奈 |
穂積 陳重 | 田村 健太郎 |
阪谷 芳郎 | 内野 謙太 |
制作キャスト
作 | 大森 美香 |
音楽 | 佐藤 直紀 |
テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
語り | 守本 奈実(アナウンサー) |
演出 | 渡辺 哲也 |
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