日本国 清国に大勝
アジアの一等国へ駆け上がった日本
渋沢栄一と従兄弟の喜作は、血洗島を訪れました。
志叶わぬままに死んだ長七郎へ尾高の家で位牌に手を合わせ報告しました。
惇忠を交え、若き日を回想しました。
栄一は、二人に慶喜公との面会を提案しました。
硬くなる喜作。
喜作には、慶喜公の意図を読み取れずに反乱を起こしたという後ろめたさが強く残っていました。
そんな喜作に慶喜は優しく語りかけるのでした。
尾高惇忠は、初めて慶喜公と向き合いました。
慶喜公は語ります。
「(惇忠殿のことは)存じている。平九郎殿の実の兄であること。富岡製糸場で活躍なさったことも。」
「長く生きて、そして国に尽くされたご立派な姿に言葉がありません。」
「残され、生き続けなければならない辛さは想像できる。なんと言っていいのか言葉は見つからないけれど、その姿に感服していますよ。」
惇忠は、彼からすると神のような慶喜公に自分を知ってもらえていたこと、心の大きな重荷を察して気遣っていただけた感動で胸が熱くなり言葉が出せませんでした。
20世紀の訪れを見届けて、尾高惇忠もこの世を去りました。
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青天を衝け 第39話「栄一と戦争」 あらすじ
異国に飲み込まれることを拒絶し続けた渋沢栄一や伊藤博文の活躍は、防戦から攻めに転じるが如く欧米と肩を並べるような存在へと転換する時期に入りました。
栄一は、アメリカに渡り各州を歴訪しました。
「バロン渋沢」「日本一の金融王」栄一へのキャッチコピーでした。
ニューヨーク、ワシントン・・・
行く先々で軍事を褒められましたが、栄一としては商工業に目を向けてもらえないことへの歯痒さが積もるものでした。
栄一の活動が世界へと広がりを見せると想定外のことが起きました。
それは、素行に問題が多かった嫡男篤二が、栄一の留守を守るように栄一の事業を手伝い活躍し始めたのでした。
妻を娶り、後継となる敬三含めて子宝にも恵まれました。
篤二は、もう一つ栄一にとっての大切な事を代理で行っていました。
それは、慶喜公の自伝を作り上げるための写真やインタビューを行う事でした。
栄一が、アメリカから帰国するとアジアの情勢が一色触発の状況でした。
清国が、遼東半島をロシアに渡したことで、ロシア軍が日本国のすぐそばへ来ることができる状況だったのでした。
栄一の考えは、韓国が清国からの真の独立を果たすには、ロシアからなんとしても守らなければならないというものでした。
ロシアは、朝鮮半島全域を望みました。
戦争を考えると政府は戦費の心配から財界への協力要請を始めました。
当然、初めに栄一に相談がやってきました。
栄一は「富国強兵」のはずが「富国」を行わずに戦争にばかり力を入れる政府を非難し、協力を拒みました。
しかし、朝鮮が取られれば次は日本が危ないという政府の言葉もまた事実と思い、財界人への戦費取りまとめを了承するのでした。
翌年、日露戦争開戦
栄一は、戦費に当てる国債の購入を財界人に呼びかける役割を担いました。
この行動は、今までの栄一の信念とは大きく乖離するものでした。
戦を「利益を上げる最良の機会」とは考えないのが栄一でした。
「みんなが幸せになることを考える」が栄一のビジネスだったからでした。
「渋沢が言うのなら・・・」多くの財界人が追随し国債を購入しました。
国債購入を後押しする役目は、栄一の心に大きなダメージを与えました。
渋沢栄一、講演後に倒れる・・・・。
心配する家族に篤二が言いました。
「父上は、戦争のたびに倒れます。清国との時もそうです。よほど戦争が父上の体質にあっていないのかもしれません。」
病の病床でも戦争による日本を心配する栄一でした。
具合は、日々悪くなっていきました。
篤二を呼び「嫡男はお前だ。頼んだぞ。」栄一は告げました。
栄一からの言葉は、篤二を追い詰める結果となりました。
「僕は逃げたい・・・」
栄一は、幸いにもある時期を境にみるみる回復しました。
復帰してみると、日本は連戦連勝の国民の興奮とは裏腹に、長期間の激しい戦争で国力は底をついていました。
英米を仲介人とする共和会議をロシアと結べなければ、日本は破滅する瀕死の状態でした。
2ヶ月後
外相小村の努力によりポーツマス条約をロシアと締結
小村の努力など国民にはわかりません。
ロシアに対する賠償金を求めなかったことで国民の怒りは頂点に達してしまいました。
小村、栄一共に激昂した国民からの襲撃を受けました。
世の中がまだ冷静さを取り戻せずにいる中、慶喜の伝記を編纂するために当時を知る人々が集められました。
汚名を拭う事を望む気持ちはないのだが・・・
そう言って慶喜公は、少しずつ当時のことをお話になりました。
慶喜公のお話の後に栄一は深く自省の念に駆られていました。
慶喜公が最後におっしゃった「人にはそれぞれに役割があるのではないだろうか。」
その言葉が栄一の耳から離れなかったのでした。
「私の道とはなんだろうか・・・。」
栄一は、篤二に伝えます。
「近く、私は実業界を引退する。」
青天を衝け 第39話「栄一と戦争」 感想
従兄弟だが、師であり、兄のような存在だった尾高惇忠とも死別。
生死の間で自省を経験。
慶喜の回顧により、己の人生も顧みる。
栄一の生涯を見直す時期が訪れたようでした。
頑なに断ってきた戦争への協力も、国民を守るためならと承諾しました。
しかし、その代償は大きく、守ったはずの国民からは怒りの矛を向けられ、己自身もやりきれないストレスから無意識に己を傷つけていたのでしょう。
戦争がなかった徳川260年を討ち果たし、新しい国を作ったら、国内国外共に常に戦争がある国なるとは皮肉ですね。
戦争と漢学
戦争というものの問題点に「漢学」が原因のように考えて、日本の教育から排除する方向に向かったことが、、日本の人間的尊厳を維持する機能を低下させたように感じます。
明治、大正、昭和の戦争を主導した面々が、軍事教育に「漢学」を取り入れたことが大きな理由と推察します。
一つの方向へ人心を誘導するには、共通価値観を刷り込むことで扱いが楽になることがあるからでしょう。
(中国では、孔子の「論語」が、政府の導きに対して邪魔になると判断して長い間「論語」を排除してましたからねぇ)
戦争行為の制裁の中で「漢学」への評価と「漢学」を指導したものたちへの評価が色褪せたのは残念でなりません。
戦後の日本を大きく復活させた吉田茂の乳母は、山田方谷や佐久間象山の師である佐藤一斎の娘だったはずです。
良い方向へ変化があることを願います。
慶喜公の回想シーン よかったぁ〜!
草薙さん演じる慶喜公が、幕末の難題の数々に思いを馳せ、集まったみんなに話すところでは、草薙さんの語り方、大きなものを背負った人の老いた姿が見事に表現されていたのではないでしょうか。
私は、とても重厚な場面となり「最後の将軍」として素敵な存在感を感じました。
ぜひ、あなたも草薙さんの派手さはないけれども、大きなものを背負った男を感じさせる演技を見て下さい!
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2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
配役 | |
渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
尾高 惇忠 | 田辺 誠一 |
渋沢 篤二 | 泉澤 祐希 |
徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
徳川 家康 | 北大路 欣也 |
小栗 忠順 | 武田 真治 |
尾高 平九郎 | 岡田 健史 |
天璋院 | 上白石 萌音 |
井上 馨 | 福士 誠治 |
渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
伊藤 俊輔 | 山崎 育三郎 |
大久保 利通 | 石丸 幹二 |
渋沢市郎右衛門 | 小林 薫 |
尾高 千代 | 橋本 愛 |
佐々木勇之助 | 長村 航希 |
(平岡円四郎の妻)やす | 木村 佳乃 |
明治天皇 | 犬飼 直紀 |
板倉 勝静 | 永井 秀樹 |
岩倉 具視 | 山内 圭哉 |
杉浦 愛蔵 | 志尊 淳 |
徳川 昭武 | 板垣 李光人 |
五代 友厚 | ディーン・フジオカ |
大久保 一翁 | 木場 勝己 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
三野村利左衛門 | イッセー尾形 |
徳信院 | 三村 里江 |
三条 実美 | 金井 勇太 |
大隈 綾子 | 朝倉 あき |
萩原四郎兵衛 | 田中 要次 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
渋沢 よし | 成海 璃子 |
渋沢 てい | 藤野 涼子 |
大内 くに | 仁村 紗和 |
江藤 新平 | 増田 修一郎 |
小野善右衛門 | 小倉 久寛 |
岩崎 弥太郎 | 中村 芝翫 |
井上 武子 | 愛希 れいか |
益田 栄子 | 呉城 久美 |
大倉 徳子 | 菅野 莉央 |
井上 未子 | 駒井 蓮 |
大倉喜八郎 | 岡部 たかし |
益田 孝 | 安井 順平 |
岩崎 弥之助 | 忍成 修吾 |
伊藤 兼子 | 大島 優子 |
穂積(渋沢) 歌子 | 小野 莉奈 |
穂積 陳重 | 田村 健太郎 |
阪谷 芳郎 | 内野 謙太 |
制作キャスト
作 | 大森 美香 |
音楽 | 佐藤 直紀 |
テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
語り | 守本 奈実(アナウンサー) |
演出 | 村橋 直樹 |
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