三菱の岩崎弥太郎の甘言もあり、小野組や三井組に金銭的圧迫を掛ける命を伝える政府でした。
大株主でもある三井組と小野組でした。
何かあれば栄一の第一国立銀行の存続も危ぶまれる事態でした。
栄一は、大隈に直談判しますが、大隈も折れません。
話は平行線のままに袂を分かつのでした。
栄一もあまりの政府の暴挙に怒りで我を忘れそうになりました。
しかし、栄一のこれからのためにも第一国立銀行だけは潰すわけには行きませんでした。
小野組との会談において、栄一は非情にも政府よりも早く担保を提供し、貸付金の弁済とするように指示したのでした。
小野組にとっての「死刑宣告」でした。
小野組番頭の古川の計らいにより、栄一の希望通り、小野組は政府よりも先に提出できる限りの返済を行ったのでした。
「信用して無担保で貸してくださった渋沢様の御恩に答えたい。」
古川のそんな思いでした。
栄一は、小野組の犠牲により危機を乗り切ることができました。
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青天を衝け 第33話「論語と算盤(そろばん)」 あらすじ
栄一も小野組の一件から深く反省をしました。
日本の経済を良くしようと急ぎすぎて、お金を貸し過ぎていたのでした。
そんな栄一に追い討ちをかけるように三井組が動きました。
三井組の第一国立銀行乗っ取りの画策でした。
栄一は、三井組番頭の三野村喜左衛門と直談判しました。
しかし、意見の対立は明白であり、栄一は政府に正義がどちらにあるのか判断を委ねることにしたのでした。
大蔵省は、第一国立銀行にシャンドを派遣し、日本における初めての銀行監査を行いました。
その結果、負債は見られたものの大口の貸し付けが三井組一つに偏っていたことが問題視されました。
それでは公共性の点で銀行業務の健全性があるとは言えない点を重く受け止めたのでした。
大蔵省は三井組への第一国立銀行が行う特権を廃止し、また渋沢栄一を頭取に任命したのでした。
これは、三井組にとっては損しかない裁定となりました。
大久保利通は、大阪に五代友厚を尋ねていました。
五代は、同郷の大久保を愛しく思い、優しく改善点を甘言しました。
栄一は、仕事が落ち着いたタイミングを見計らい、静岡の慶喜公を尋ねました。
例え旧幕臣が面会に来ても、ほとんど会おうとしない慶喜公でしたが、栄一との会話は楽しみにしていました。
また、幕末から続く慶喜公の苦心が今もなお続いていることも栄一は知りました。
栄一は、東京に戻るとその日から改めて論語を学び直しました。
栄一が、自省に使えた時間は僅かでした。
円の価値が下がり、また横浜では外国商館が手を組んで繭の原料である「産卵紙(蚕の卵)」を買い控えて値崩れを待つ行動に出たのでした。
外交問題になることを嫌い、政府は対応を控えました。
そこで、大久保利通は渋沢栄一に頼みました。
その大久保の姿勢は、五代友厚の忠言を聞き入れた、誠実な対応でした。
大久保の真心が栄一にも伝わり、栄一は日本のためにと動くことを約束しました。
栄一の行動は素早かった。
すぐに横浜商会に赴くと国から預かったお金でダブついた産卵紙を全て買い上げたのでした。
買い上げた次の一手に商会の面々は腰を抜かしました。
なんと、買い上げた産卵紙は全て燃やすと栄一は言ったのでした。
外国商会は、日本人が産卵紙を売れなくなれば困って安値で売ってくると目論みました。
それを栄一が買取ってしまえば、日本の商会は困りません。
値がもくろみ通りには下がらなくなります。
その上、産卵紙を焼却されれば、在庫がなくなり、新規の製品は値上げすら生じる可能性が出てきます。
外国商館にとっては、目論み外れでは済まない大損になってしまいました。
「買い控え」に対抗し「売り控え」をぶつけたのでした。
言うまでもなく、外国商館の面々は速やかに降参したのでした。
明治九年一月(1876年)
新年を家族で祝う中、三井組の三野村喜左衛門が訪ねてこられました。
栄一は、三野村の子供のあやし方があまりに見事なことに驚きました。
お千代から勘定奉行だった小栗が無惨な最後を迎えたことから、その実子を三野村が世話をしていたことを聞かされました。
元は小栗家の奉公人だったところを小栗に理財の才を見出され三井組と縁ができたことを知るのでした。
新年会として渋沢邸には喜作や五代友厚ら親しい仲間が集いました。
そこで喜作が、栄一の机の「論語」に気づきました。
栄一は、願ったわけではないが自分が銀行の頭取になったこと。
これからビジネスの大海原をたくさんの社員を従えて航海すると思うと恐ろしくなったこと。
そのように心中を語り、論語を読み始めた心中を語りました。
「論語には、己を修め、日々の人との交わりについての教えが書かれている。この論語を持って商いの世界を戦いたいんだ。」栄一はみんなに語るのでした。
三野村の日頃とは違った一面を見た後だからでしょう。
栄一は、素直な気持ちで三井の日本初の私立銀行開業を祝う言葉を三野村に伝えました。
「小栗様は、カンパニーも、紙幣も、バンクも、10年前に作ろうと疾走していました。今頃か?と笑われることでしょう。」と三野村は語りました。
そして、次の時代の日本を牽引する栄一と思うからこそ三野村は言いました。
「金を蔑む武士の時代が終わったのはいいが、金を崇拝し過ぎる輩が増えてしまった。金、金、金、、、と。」
翌年、三野村利左衛門 没
明治十年(千八百七十七年)
西郷隆盛が最後の一戦を行いました。
西郷隆盛 死す
栄一は、持っている力を出せる場所が見つからず苦心した西郷を回顧し、胸が苦しくなるのでした。
日本は、税収4800万円
この同じ年に戦費として4200万円必要になっていたのでした。
戦争も商いの勝機とした三菱の岩崎弥太郎は万々歳でした。
しかし、喜ぶ弥太郎に大久保利通暗殺による死亡が伝えられたのでした。
青天を衝け 第33話「論語と算盤(そろばん)」 感想
十年の歳月をかけて、なかなか交わらなかった個性豊かな男たちが協調性を持ち始めた頃だったのではないでしょうか。
大久保利通と渋沢栄一。
渋沢栄一と三野村喜左衛門。
他いろいろです。
しかし、幕府転覆により己の社会的な地位が上がる、金になると考えていた士族にとってはなんのメリットも感じない状況に陥り、その怒りがさまざまな場所で噴火した頃合いでもあったのでしょう。
明治も十年と言うことは、人は10歳年齢を増やします。
ずっと戦のなかった徳川幕府の時代に、人はどのくらい日常で「人を切る」「人を自分が殺す」と思って暮らしていたのでしょうか。
それが、幕末から明治初頭にかけては、意見が違うと「暗殺」に変わってしまいました。
私の考えは、幕末に10歳くらいの子供が、子供心に目の前で人が殺されるという行動を目の当たりにしています。
その子供が十年経つと、その子にとっては「人を殺す」行動は、一つの正当性のある行動になってしまうのではないでしょうか。
そう言う意味では、十年、十五年と言う時間の経過はとても恐ろしいものであると思うし、多面的に危険な時代を迎えていた明治という時代だと感じました。
「論語と算盤(そろばん)」 は?
渋沢栄一といえば「論語と算盤」という、同義語と捉えられるくらいのキャッチコピーがタイトルだった33話でした。
が、いったいどうしたのでしょう。
この無理やりこじつけた感・・・
そもそも「論語と算盤」の由来となる発言者の三島中洲を配役に入れないなら「論語と算盤」に触れなくとも良かったのではないでしょうか。
孔子といえば「それ恕なり」というように「愛情」の人。
私が感じるのは、その意思を表しているのが「孝」の旧漢字だと思っています。
本来は「老」の字の下に「子」があるのが旧漢字でした。
年老いた親を背負う子供。
これをもって「孝」
渋沢栄一を描いた「青天を衝け」を一気に見ていて、私は何度も書いていますが「家族」をすごく感じました。
その視点からは、この「孝」の字が渋沢栄一を端的に表しているように思いました。
そ、それが、、、、渋沢栄一の行動の原動力である「家族に孝行するような活動」的な面が全くなくて、、、、「人の規律が書いてある」的な表現に唖然でした。
確かに論語とは、人はこうあるべきの「正道」なんでしょうが・・・。
私の解釈が的外れなのかもしれません。
私のブログなので許してください。
吉沢亮さんのこれまでの演技からも、なんだか寂しく、吉沢さんがかわいそうになってしまいました。
個人的には、渋沢栄一の論語はそんなに高度ではなかったのではと思っています。幕末の活躍した儒学に明るい人は「朱子学」に加えて「陽明学」も習得しています。
それだけに、シンプルに「嘘をつかない」「相手を思いやる」など小学生でもわかるような規律をビジネスという戦場でも失わずに持ち続けた偉人と考え尊敬しています。
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今回は、かなり個人的な思いから感想も書いています。あなたはドラマを見てどう感じるのでしょう?
ぜひ、あなたも見逃した大河ドラマ「青天を衝け」をご自身の目でご覧ください!
2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
配役 | |
渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
尾高 惇忠 | 田辺 誠一 |
徳川 美賀子 | 川栄 李奈 |
徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
徳川 家康 | 北大路 欣也 |
小栗 忠順 | 武田 真治 |
尾高 平九郎 | 岡田 健史 |
天璋院 | 上白石 萌音 |
井上 馨 | 福士 誠治 |
渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
伊藤 俊輔 | 山崎 育三郎 |
大久保 利通 | 石丸 幹二 |
渋沢市郎右衛門 | 小林 薫 |
尾高 千代 | 橋本 愛 |
貞芳院 | 原 日出子 |
(平岡円四郎の妻)やす | 木村 佳乃 |
西郷 吉之助 | 博多 華丸 |
板倉 勝静 | 永井 秀樹 |
岩倉 具視 | 山内 圭哉 |
杉浦 愛蔵 | 志尊 淳 |
徳川 昭武 | 板垣 李光人 |
五代 友厚 | ディーン・フジオカ |
大久保 一翁 | 木場 勝己 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
三野村利左衛門 | イッセー尾形 |
徳信院 | 三村 里江 |
三条 実美 | 金井 勇太 |
大隈 綾子 | 朝倉 あき |
萩原四郎兵衛 | 田中 要次 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
渋沢 よし | 成海 璃子 |
渋沢 てい | 藤野 涼子 |
大内 くに | 仁村 紗和 |
江藤 新平 | 増田 修一郎 |
小野善右衛門 | 小倉 久寛 |
岩崎 弥太郎 | 中村 芝翫 |
制作キャスト
作 | 大森 美香 |
音楽 | 佐藤 直紀 |
テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
語り | 守本 奈実(アナウンサー) |
演出 | 田中 健二 |
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