「平岡さまに早く大勢の優秀な若者が集まったことを知らせたい！」
その思いを胸に渋沢栄一（この頃は篤太夫）と従兄弟の喜作（改め成一郎）は江戸、そして京を目指すのでした。
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第１７話「篤太夫、涙の帰京」 あらすじ
平岡円四郎の死が、妻やすの元に知らされました。
円四郎の襲撃を含めて、水戸の斉彬が始めた「攘夷」を旗印に決起した水戸藩の志士たち「天狗党」が最大の盛り上がりを見せていました。
時を同じくして、長州藩も１６００人の兵を京に進軍させました。
天使さまのご意思、そして京を守る一橋慶喜は長州兵の京への進行を許さぬ方向でした。
しかし、戦をすることは、武力に傾倒するお粗末な輩と同じになってしまうと冷静な対応を思案していました。
薩摩藩の復権を狙う動きを意識したのでした。
江戸の一橋藩邸に立ち寄った篤太夫と成一郎。
しかし、そこで知ったのは恩師である平岡円四郎が水戸藩士によって斬り殺されたことでした。
長州藩の兵士が京に進軍しました。
禁裏後守衛総督である一橋慶喜は、直ちに天子様へ報告しました。
「長州を撃て！」慶喜は希望したように天使さまより勅命を授かるのでした。
長州藩としては、帝への影響力を一気に高める狙いがあったのでしたが、そのやり方は無謀でした。
江戸幕府が誕生して以来の初めて京を戦ばとした内戦「禁門の変」は起きてしまったのでした。
慶喜の兵だけでは解決に向けた強さを見せられませんでしたが、そこに薩摩藩の戦闘力が加わった時に、一気に長州軍は壊滅したのでした。
「禁門の変」は幕府軍の勝利で終結したのでした。
長州藩としては、数日後に追い討ちを受けるような悲劇がさらに加わったのでした。
イギリスを始めとする四カ国が、長州藩の沿岸警備である砲台を目掛けて大砲を打ち込んだのでした。
長州藩は「攘夷」を諦めることになるのでした。
禁門の変の結果は、江戸にいる澁澤篤太夫と清一の元にも届きました。そこで知らされたことは「長州藩 逆賊」であり、攘夷の終焉でした。
京に向けて出立した篤太夫一行は、中山道を進みました。
途中に深谷宿があり、故郷血洗島はたった一里（４km）の距離でした。
近くて遠い一理。
寂しく思う篤太夫と成一郎立ったが、篤太夫の父市右衛門の気配りにより二人の妻と子供を途中の村に待機させる温情を受け大変喜べることになりました。
深谷宿を出立する際に岡部藩の詮索を受けることがありました。
その取り締まり人の中には、渋沢栄一の幼い時に不当な金品の徴収をした代官が含まれていました。
尾高惇忠が水戸藩天狗党絡みで取り締まられたように、不審だと篤太夫と成一郎を取り締まらせろというものでした。
過去の怒りが込み上がり、篤太夫は代官へ足を向けるのでした。
が、一歩早く上司が代官の前に進みでました。
「要向きは伝えるが、今渋沢両名がいなくなるのは困る。そして、縁あって一橋家に席を置く大切な家臣である。よって、応じられない。」と代官へ言い切ったのでした。
以前ならば「絶対権力者」であった岡部藩であり、代官でした。
その力が及ばない存在となった「事実」を篤太夫と成一郎は噛み締めました。
涙を流し、改めて今日に帰っても平岡円四郎に会えないことを悲しみました。
「すべてのこの出来事は、平岡さまのおかげです。」
京についた篤太夫と成一郎は、慶喜と面会しました。
慶喜は徳田裕たちに尋ねました。
「なぜ、円四郎は水戸藩の者に殺されたのか？」
答えの出せない篤太夫たちに対して慶喜は「私の代わりだ。」と言い切りました。
「私に我慢あらないのに、斉彬の息子である私に刃を向けるわけにはいかない。だから言いがかりをつけて円四郎を切ったんだ。だから円四郎の死は私の代わりなのだ。」
慶喜が立ち去った後に家老が言いました。
「お前たちは平岡さまのおかげで一橋家に出仕できたのだから、これからも平岡さまのためにも一橋家に役立てるように励めよ。」
二人は決意新たに力強く返事をするのでした。
その一橋けが守る京に、新たな動きが生じました。
水戸の天狗党が、武田耕雲斎を首領にしてやや力を戻しました。
その次の一手が、「攘夷」の心を１番に理解してくれるだろう慶喜のいる京へ進軍を決めたからでした。
慶喜の立場は、武田耕雲斎が思うよりもずっと複雑でした。
慶喜が、天狗党を少しでも擁護することは「公儀への反乱」として扱われかねないことでした。
京を守るのがお役目の慶喜でした。
「天狗党を京へ入れるわけにはいかない。」
これが慶喜の答えでした。
第１７話「篤太夫、涙の帰京」 感想
平岡円四郎の死を知らずに、円四郎に認められたい、期待に応えたいと疾走する栄一の姿は健気でもあり、人を大切にする栄一の人間性がとても感じられる前半部分だと思いました。
山崎育三郎さん初登場
ちらっと伊藤博文役の山崎育三郎さんが登場しました。
そうとしか書けないほど一瞬でしたね。笑
長州の武力行使に苦渋を舐め続けたイギリス始め四カ国が長州への武力行使を決定したことを受けて、なんとか思いとどめたいとイギリス艦内で調停しようと話し合う場面でした。
後々、渋沢栄一との強い関係が待っているのですが、この時はまだあってもいません。
吉沢亮さんの目が渋沢栄一の人物像を伝える
熊谷の宿を出立する際に岡部藩の取り締まりを受けそうになった時のお話です。
代官の言い分に渋沢篤太夫、栄一ですが「道理に合わないことが理解できない」と物事の「道理」について真摯に向き合う渋沢栄一という人物の人柄を見事に吉沢亮さんは「目」で語っているのです。
不条理に対する「戸惑い」
強引な物言いに対する「怒り」
言い返せない立場の「やるせなさ」
今までも、吉沢さんの「目」は素晴らしい表現力で語っていたのですが、今回は過去一でした。
「戸惑い」が、道理に対するその人の浸水度がわかる測りだと私は感じています。
とっても素晴らしい演技でした。
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私の拙いあらすじまとめでは、吉沢亮さんの演技は到底語れません。ぜひ、あなたも見逃した大河ドラマ「青天を衝け」をご自身の目でご覧ください！
２０２１年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
| 配役 | |
| 渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
| 澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
| 尾高新五郎（幼少期の栄一の先生、従兄弟） | 田辺 誠一 |
| 孝明 天皇 | 尾上 右近 |
| 徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
| 徳川 家康 | 北大路 欣也 |
| 徳川 斉彬 | 竹中 直人 |
| 徳川 家茂 | 磯村勇斗 |
| 天璋院 | 上白石 萌音 |
| 井上聞多（馨） | 福士 誠治 |
| 渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
| 伊藤 俊輔 | 山崎 育三郎 |
| 平岡 円四郎 | 堤 真一 |
| 渋沢市郎右衛門 | 小林 薫 |
| 尾高 千代 | 橋本 愛 |
| 和宮 | 深川 麻衣 |
| （平岡円四郎の妻）やす | 木村 佳乃 |
| 西郷 吉之助 | 博多 華丸 |
制作キャスト
| 作 | 大森 美香 |
| 音楽 | 佐藤 直紀 |
| テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
| 語り | 守本 奈実（アナウンサー） |
| 演出 | 黒崎 博 |
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