三菱率いる岩崎弥太郎と渋沢栄一の大戦争は身近に迫っていました。
海運を一手に握り、運賃も身勝手に釣り上げる三菱のやり方に三井系をはじめ多くの事業家たちから栄一に救済を求める悲鳴が届く毎日だったからでした。
栄一は、合本による海運会社「東京風帆船会社」を立ち上げました。
合言葉は「合本で三菱を叩き潰そう!」でした。
しかし、岩崎弥太郎も黙って栄一のやることを見てはいません。
大隈重信の耳に湾曲した情報を入れて、栄一の妨害を開始しました。
弥太郎は、出入りの業者なども使って栄一の悪評を広めました。
大隈を敵に回し、多くの悪評を広められた栄一の海運会社は、スタートを切る前に暗礁に乗り上げてしまったのでした。
弥太郎の口は冴え渡りました。
自身は、あくまでも政府の三井一社への偏った優遇を是正するために民間として立ち上がった救世主であるというような風評を広めたのでした。
物価上昇に加えて、入居者の増加に養育院の経営は壊滅的でした。
弱いのは自業自得と、税による救済を否定する府議たちが多勢を占めました。
栄一は「国が一番に守らなければならないものは人である。限られた予算であっても救済は継続するべきだ。」と訴えて、他の府議とたびたび衝突しました。
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青天を衝け 第36話「栄一と千代」 あらすじ
栄一の娘の歌に何度目かのお見合いがありました。
相手は、旧宇和島藩士の穂積陳重でした。
当初は口数の少なかった歌も穂積の寛容さに次第に心を開くのでした。
同じ頃、政府では大問題が起きていました。
北海道の開拓に関して、五代友厚に安く払い下げられる便宜があったというデタラメな言い分で世論を焚き付ける輩が噴出しました。
薩長の政策を嫌い、払い下げに反対した大隈を称える世論でした。
その実は、三菱に払い下げたいからの大隈の反対とは知らずなのか、弥太郎の裏工作なのか。
伊藤は、この難局をチャンスと捉え大隈重信を政府から排除しました。
政府は、伊藤博文を中心として薩長出身者が脇を固めることになりました。
「明治十四年の政変」と後に呼ばれました。
栄一の元へ井上馨がやってきました。
政府では太刀打ちできないと、改めて三菱の岩崎弥太郎を退治してほしいと頼んできたのでした。
新しい海運会社の設立が急務でした。
すでに用意した東京風帆船会社に他の海運会社を合併させて規模を大きくした上で対抗させたいのが井上の作戦でした。
理由は、政府を追い出された大隈重信が、三菱をスポンサーに新しい政党を設立すると噂されたからでした。
早いところで目を摘みたい政府として、資金源の三菱を叩きたい裏事情があったのでした。
飛鳥山の渋沢邸では、歌の結婚の準備が進められていました。
栄一の判断により、政治家を一切呼ばない式となることが決まっていました。
その春、歌は穂積と結婚しました。
初々しい若い二人の結婚式は、栄一に多くの自省の念を抱かせました。
「正しいことをやりたいために、今の私は正しいのかどうかもわからない事をやっている。若い二人がうらやましい。」
お千代がキッパリ栄一に伝えてあげました。
「栄一さんは欲深いですよ。やりたいと思うと故郷も妻も子も放っぽり出してどこにでも行ってしまいました。皆が働いて得たお金も攘夷のためにと勝手に使ってしまいました。これだ、と思うと敵だと言っていた相手にも平気で仕官してしまいました。」
「何を考えていらっしゃるのかと、ずいぶんと寂しい思いもしましたよ。」と栄一にお千代は伝えました。
「夢にみた事を堂々となさっている。お父様やお母様も私も栄一さんを褒めますよ。」
いつになくクヨクヨとしていた栄一には、変え難い力を受け取ることができるお千代との時間だったのでした。
歌家族も共に暮らす飛鳥山の渋沢邸でした。
明るく和やかにみんなの笑顔に包まれた栄一にとってかけがえのない時間が過ぎていきました。
お千代は決して奢ることのない人でした。
嫡男の篤二が、栄一からのお土産を乱暴に扱っていると「おもちゃを持てない子もいるのだから物を大切にする心を忘れてはなりませんよ。」と諌めるのでした。
魔物は突然訪れました。
お千代が病に侵されたのでした。
病名はコレラでした。(当時では感染力が大変に強く、また回復する可能性が極めて低い難病でした。)
栄一は愕然としました。
栄一は、お千代の看病のために、新しい海運会社「共同運輸会社」の催しも欠席しました。
みんなの祈りも届かず、お千代の容態は急激に悪くなっていきました。
「生きて、栄一さんの道を歩んでください。」
お千代の最後の言葉でした。
葬儀も一通り終わる中、尾高惇忠が飛鳥山の渋沢邸へ急ぎやってきました。
お千代は、惇忠の妹。
自分よりも若い弟妹を失う惇忠の心は想像できないほどの辛さだったことでしょう。
栄一の心の穴も測れないほどに大きなものでした。
青天を衝け 第36話「栄一と千代」 感想
娘歌の縁談では、ビジネスマン渋沢栄一とは違う一面を見せていましたね。
栄一は、気乗りがしないのに無理に歌を嫁がせなくともと考えるのでしたが、お千代に気乗りしないのはあなたのことでしょうと一喝される一幕。
大物実業家の渋沢栄一も娘に関しては、弱い父の一面もあったようですね。
家族を大切にし、家族のように国民を思う栄一。
「離れる」怖さも人一倍だったようですね。
全体としては、妻お千代の特集回でした。
明治の女性はすごいです!
良妻賢母という言葉の意味は、これもじつは一つではないと思っています。
お淑やかで主人から3歩下がってついて行く、そんな言葉に聞こえますか?
私の知る明治に生きた女性は「家(家系)を守る」ことに対する「守護神」のような存在です。
私の先祖で起きたことですが、既に結婚して子供もいるのに「あなたではこの家は守っていけない。」と離婚させて、息子に新しい嫁を取らせています。
その新しく嫁になった、まぁ私の祖母ですが、明治期にアメリカ留学するような人でした。
後に、アメリカで「日本の古い家系の女性に対する地獄のような習慣」といったニュアンスの本を出しててしまうのですが・・・。
今となっては、この世から全てのその本が消滅していることを願うばかりです。
「大黒柱」とは、妻であり、母である女性に与えられし称号だったのではと感じる私個人の思いでした。
そんな視点で、お千代の存在と、お千代との別れを迎えた栄一を見ていました。
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私の拙いあらすじまとめでは、多くの心配りあふれた役者さんの演技は到底想像できません。将軍家茂が征夷大将軍を慶喜に譲ると決心する際の心情を表現するのは難しかったことでしょう。ぜひ、あなたも見逃した大河ドラマ「青天を衝け」をご自身の目でご覧ください!
2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
配役 | |
渋沢 栄一 | 吉沢 亮 |
澁澤 喜作 | 高良 健吾 |
尾高 惇忠 | 田辺 誠一 |
徳川 美賀子 | 川栄 李奈 |
徳川 慶喜 | 草彅 剛 |
徳川 家康 | 北大路 欣也 |
小栗 忠順 | 武田 真治 |
尾高 平九郎 | 岡田 健史 |
天璋院 | 上白石 萌音 |
井上 馨 | 福士 誠治 |
渋沢 ゑい | 和久井 映見 |
伊藤 俊輔 | 山崎 育三郎 |
大久保 利通 | 石丸 幹二 |
渋沢市郎右衛門 | 小林 薫 |
尾高 千代 | 橋本 愛 |
貞芳院 | 原 日出子 |
(平岡円四郎の妻)やす | 木村 佳乃 |
西郷 吉之助 | 博多 華丸 |
板倉 勝静 | 永井 秀樹 |
岩倉 具視 | 山内 圭哉 |
杉浦 愛蔵 | 志尊 淳 |
徳川 昭武 | 板垣 李光人 |
五代 友厚 | ディーン・フジオカ |
大久保 一翁 | 木場 勝己 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
三野村利左衛門 | イッセー尾形 |
徳信院 | 三村 里江 |
三条 実美 | 金井 勇太 |
大隈 綾子 | 朝倉 あき |
萩原四郎兵衛 | 田中 要次 |
大隈 重信 | 大倉 孝二 |
渋沢 よし | 成海 璃子 |
渋沢 てい | 藤野 涼子 |
大内 くに | 仁村 紗和 |
江藤 新平 | 増田 修一郎 |
小野善右衛門 | 小倉 久寛 |
岩崎 弥太郎 | 中村 芝翫 |
制作キャスト
作 | 大森 美香 |
音楽 | 佐藤 直紀 |
テーマ音楽演奏 | NHK交響楽団 |
語り | 守本 奈実(アナウンサー) |
演出 | 黒崎 博 |
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