青天を衝け

国の運営としてスタートしたはずの富岡製糸場でしたが、結局民間の力で軌道に乗って行きます。逆に国の政として政策を行うはずの政府が、個人の権勢欲や利益至上主義により混乱が続く有様に渋沢栄一や西郷隆盛は心を痛めていました。本当に「国のためになる働き」を目指して栄一が変わることを決心します！

社会的な地位が、その人間を美しくするのではない。一日一日を決意した生き方を持って迎え、大切にしていれば、結果としてその人の生き様は美しいものになる。そう渋沢栄一の父市右衛門は教えてくれました。美しい藍染と共に送り出される葬儀のシーンをあなたもご覧下さい。

新政府の混乱によりすっかり停滞してしまった国づくりでした。渋沢栄一は、旧幕臣の底力を見せるためにも多くの問題を浮き彫りにして、迅速に、確実に国に必要なことを洗い出し、実行していきました。そんな中、離れていた栄一と従兄弟の惇忠を再び結ぶかのように製糸工場の設立の話が出てきました。さて、二人の離れていた心は再びきつく結ばれることができるのでしょうか。

慶喜のいる駿河でやっと自分らしい生き方が見つかったとホッとした矢先に「新政府出仕」という命が栄一に告げられました。幕臣が倒幕した新政府で働くことに我慢ならない篤太夫でした。決意を幕臣である篤太夫を捨てることで、新しい日本国を作る一助になる道を選びました。

父や母に帰国の報告を終えた渋沢栄一は、元主君である徳川慶喜への報告のために駿河藩に向かいました。慶喜との再会を果たし、慶喜の配慮により駿府で働くことになります。栄一は、早速欧州で学んだ合本の精神を生かして武士と商人の変化を誘導するのでした。

６年ぶりの郷里血洗島でした。栄一を育んだ地は、悲しみを悲しいと感じさせるし、心の傷を癒しもしてくれるスペシャルな場所でした。また、頑なな父と慶喜から意外な言葉を聞き、動揺が隠せない栄一でした。紆余曲折した栄一の人生が定まる気配を見せています。

薩長新政府は、金もなく、政を行った経験のないものばかりだったので国内の混乱は戦を含めてまったく治っていませんでした。 そんな世に篤太夫を含んだ民部公使一行は帰国したのでした。 そこで途中の横浜で民部公使は船を降り、篤太夫たちは新政府の圧力に...

パリの民部公使一行は日の本からの手紙に翻弄されます。それもそのはず、公儀が倒れるとは思っても見ないことだったからです。そのズレを抱えたまま時間ばかりが過ぎていた、その最中はどんなに苦しい心中だったことでしょう。また、初めての異国で篤太夫や民部公使がなぜ信頼を勝ち得たのか、この辺りは私たちの日頃の生活にも役立つ相手との向き合い方が隠されているように思います。ぜひ、あなたも素晴らしい演技を積み上げてくれたキャストが集まって制作されている大河ドラマをご覧下さい！

大きな戦によるたくさんの死傷者が出ることを恐れた慶喜は大きな決断を断行しました。それが大政奉還です。しかし、薩摩繰り返す倒幕の魔の手によりついに絡みつかれて戦に引き摺り込まれるのでした。

2ヶ月近くの日数をかけて到着したパリ。一行は異国の風習や振る舞いに戸惑いながらも渋沢栄一の活躍もありなんとか充実した滞在を継続していました。ただ異国であるパリでも国内の諸藩との小競り合いは続いていました。薩摩藩の罠に苦しい公儀の様子が描かれています。どうぞお楽しみください。