商いは、人を喜ばせ、自分も喜び、そして地域が潤うと感じられて日々が楽しくて仕方なかった若き日の渋沢栄一に大きな壁が立ちはだかったのです。
それは、商いは楽しいとはいえ僅かな利益をコツコツ積み上げて財は蓄えられているというのにお上である侍は資金が必要になると「出せ!」の一声で集まると思っている。
人の道として筋が通らないじゃないか!
そんなところでした。
この怒り、これからの栄一にどんな未来を用意するのでしょうか。
たぶん、、、彼の未来、荒れるしかないですよね・・・。
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第5話「栄一、揺れる」 あらすじ
父になだめられて渋々代官に金を収めに行った栄一は、まだまだ怒りが治りませんでした。
そんな帰路の途中で従兄弟の尾高惇忠に会います。
ことの次第を説明すると惇忠はこう言いました。
お前も「悲憤慷慨(ひふんこうがい)」だな、と。
悲憤慷慨(ひふんこうがい)とは「社会の筋が通らない、理不尽な事に悲しみ、そして怒りが治らないさま」とします。
時を同じくして各地で同じような現象が勃発していました。
徳川家康が築いた「(武)士」と「その他」の2極化社会構造だったのですが、90%を越すはずの「その他」である「武士以外」からの不満が吹き出し始めていたのでした。
渋沢栄一の父である市右衛門は、栄一の代官への反発などの理屈は寛容に理解してあげるのだが、その強情な性分が禍につながるのではと危惧するのでした。
場面は変わり、尾高惇忠の学び場兼剣術道場では、若者たちが外国の過去の行いを又聞きしながら日本国を憂え声が飛び交うのでした。
そんな中でも飛び抜けて強い気概を見せたのが栄一の従兄弟であり尾高惇忠の弟である長七郎でした。
「俺は決めた!俺の武術は(異国という)敵を斬るためだ。」
日本国という社会が揺れる中、社会の元となる「家族」単位でもちょっと異変が起きたのでした。
栄一の姉である「なか」に縁談が持ち上がったのですが、相手の家には狐がついていると縁談を心配する者たちが破談を検討することを言い出したのでした。
迷信とバカにする栄一でしたが、まだまだ信じるものも多い時代でした。
そんなことが続き、なかの様子が徐々におかしくなり、縁談は思わぬ形で破談となりました。
同じ時!
外国船、何より異国人がきたのでした。
街中には疫病が流行し、さまざまな迷信が流行るようになるのでした。
根拠のない話でも十分に人心は惑わされることが明らかになった時代と言えます。
老中首座である阿部の対応に腹にすえかねる思いがある水戸の斉彬は、阿倍施策に喧嘩腰で物言いを続けました。
そのような最中にロシア船が停泊する下田に大地震が発生しました。
「神の思し召しだ!」と喜ぶ斉彬の想いとは裏腹に遭難した現場である下田の民は一生懸命にロシア船乗組員を助け食事を与え続けました。
激情型の水戸の斉彬の側用人として労を惜しまずサポートする藤田東湖でした。
激務に疲れ果て、家に戻ってみると、なんと一橋慶喜が訪れていました。
慶喜は言いました。
「異国について教えてほしい。」と。
東湖は、主君の斉彬についても話しました。
「誤解されるかもしれないが国を案じる気持ちが強いだけ。いつか幕府もわかってくれます。」
それを聞いた慶喜の小姓であり帯同していた平岡円四郎は、藤田東湖こそ「諍臣(そうしん)」だと感じるのでした。
諍臣(そうしん)とは、「争臣」と書かれることもあります。その役割は、主君の行いが間違っていると感じた時には身分に関わりなく徹底して(善行に向け)諌める役回りとなります。
栄一の周りでも落ち着かない空気は続きました。
姉なかの様子は引き続きおかしく、栄一は世話に追われました。
そんな栄一を見て、従兄弟の尾高長七郎は「国の大事もそっちのけで姉のことで振り回されるなど腑抜けだ」と蔑むのでした。
気晴らしにと父の市郎右衛門は藍玉の行商に中を連れて行きました。
初めての旅になる姉のはなでした。
と、見送る栄一のそばを大勢の修験者たちが家に入りました。
祈祷をするというのでした。
物騒なことを聞きながら祈祷が進みました。
(やがて市右衛門とはなが帰宅しました。)
皆がおそろおそろご祈祷を聞くなか、栄一が修験者たちに質問を始めました。
栄一は、修験者の御祈祷の際の話の食い違いに疑惑を強め、ついには修験者たちを罵り罵倒して追い出してしまいました。
姉のなかは、栄一の姉想いの気持ちに触れて心が晴れるのでした。
秋になりました。
天下の大地震「安政江戸地震(1855)」が発生したのです。
水戸藩では、藤田東湖が亡くなりました。
第5話「栄一、揺れる」 感想
私人と公人。
個と国というこれらの言葉は、一見対象的な存在と見る者もいます。
しかし、渋沢栄一は、どちらかの視点から物を見るのではなく、どちらも同じように大切に考えたのではないでしょうか。
そこに優先順位はありません。
また、迷信を信じる信じないではなく、日頃の渋沢家であり、姉なかを強く信用していたのだろうと察することができます。
みっ君
ここで信頼と信用どちらの漢字を使うべきか迷いました。「信頼」は、自分が相手をどう思うかの気持ちです。「信用」は、相手がそこに至るまでの過去の行いによるあなたへの実績によるものです。
人は誰しもが自分の経験という「眼鏡(レンズ)」を通して物を見るし、予想するものです。
異国船の突然の多数の来訪によって、日本国民は
- 未来への不安
- 異国人と日本人の容姿の違い
- 異国人の持つ文化や習慣への無知
簡単に数えても3つあります。
日々の日常のように「予想」しようとした民の頭が混乱を期したのです。
人は「恐怖心」が一番強い本能です。
それ故に恐怖からの回避本能が冷静な判断力を奪ってしまったのでしょう。
不確かな情報にも右往左往し、疲弊した精神がますます良からぬ想像を膨らます悪循環へと市民を引き摺り込んだ5話だったと思います。
令和4年の現在は、情報が多くあります。
しかし、その信憑性を裏付けるものや多くの情報の中から信頼できる情報だけを選び出す力を持つ人がどのくらいいるでしょうか?
それは、情報に麻痺したことによる「情報不安」を引き起こす社会とも言えます。
どちらかに偏らず「理想の社会」を見る目を持った「渋沢栄一」という人間はこれからどのような経験から誕生することになるのでしょうか。
今後が楽しみになった一話でした。

2021 大河ドラマ【青天を衝け】 第6話「栄一、胸騒ぎ」
一言で6話を語るなら、見なくても大きくは困らない回だと思います。しかし、見ると今後のドラマの「厚み」「深さ」が大きく違う回でもあります。龍を描くときに鱗は必須です。しかし、鱗だけ描いても龍の持つ尊厳は描けません。鱗の縁に「影」を描くことで鱗に立体感が出てトータルとして龍の体にボリューム感が感じられ、結果「尊厳」を見るものに感じさせます。この6話はそんな演出です。
みっ君
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2021年 NHK大河ドラマ「青天を衝け」キャスト
主要キャスト
| 配役 |
| 渋沢 栄一 |
吉沢 亮 |
| 澁澤 喜作 |
高良 健吾 |
| 尾高新五郎(幼少期の栄一の先生、従兄弟) |
田辺 誠一 |
| 阿部 正弘(幕府老中首座) |
大谷 亮平 |
| 徳川 慶喜 |
草彅 剛 |
| 徳川 家康 |
北大路 欣也 |
| 徳川 斉彬 |
竹中 直人 |
| 徳川 家慶 |
吉 幾三 |
| 藤田 東湖 |
渡辺いっけい |
| 渋沢 宗介 |
平泉 成 |
| 渋沢 ゑい |
和久井 映見 |
| 高島 秋帆 |
玉木 宏 |
| 平岡 円四郎 |
堤 真一 |
| 渋沢 市郎右衛門 |
小林 薫 |
| 渋沢 なか |
村川 絵梨 |
制作キャスト
| 作 |
大森 美香 |
| 音楽 |
佐藤 直紀 |
| テーマ音楽演奏 |
NHK交響楽団 |
| 語り |
守本 奈実(アナウンサー) |
| 演出 |
黒崎 博 |
この記事の情報は2022年8月4日に確認したものです。価格やサービスは変更があります。ご利用前には必ずご利用サービスの最新情報をご確認下さい。
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